vol.8「トランプラリー」

政治と経済は切り離せない関係にあります。日本の総理大臣が誰になるかが世界に与える影響は限定的ですが、アメリカの大統領が誰になるかは、世界経済に大きな影響を与えます。先月行われた米大統領選挙で、カマラ・ハリス氏が勝利していた場合、株価は下落傾向にあったと予想されます。

実際にはドナルド・トランプ氏が勝利したことで、株価は急騰しました。バイデン政権では、脱炭素政策の推進やロシアのウクライナ侵攻などにより、エネルギー価格が上昇し、記録的なインフレを招きました。一方トランプ氏は、パリ協定からの離脱を表明し、「石油やガスを掘りまくる」との方針を掲げており、エネルギー価格の安定やインフレ抑制が期待されています。

インフレが抑えられると、FRB(米連邦準備制度)は利下げに踏み切ります。それに伴い、米国債の金利も低下するでしょう。現在約4.5%で推移している米国債運用利回りは、2〜3%程度に落ち着くと見込まれます。この影響で、日本の保険会社が提供する米国債運用型保険商品も同様の金利低下を余儀なくされるでしょう。さらに、アメリカの利下げは日米間の金利差を縮小させ、一時的に円高をもたらすと予測されます。ボーダーラインは130円とされますが、これは一時的な現象であり、長期的な円安トレンドには変わりありません。

したがって、今回の円高はドルを買い増す好機と言えます。

次期トランプ政権では、イーロン・マスク氏の影響力が経済政策に反映される可能性が高いと予測されます。これまで暗号資産や電気自動車(EV)に否定的だったトランプ氏が、立場を転換することで、これらの分野に新たな活力を与えるかもしれません。また、第三次世界大戦の懸念が叫ばれる中、トランプ氏の勝利によりそのリスクが軽減される可能性も指摘されています

。アメリカのリーダーが強い指導力を発揮する時、世界の安定が促進される傾向があります。米大統領の選択が世界経済や安全保障に大きな影響を及ぼすことは、改めて注目すべき点です。なお、冒頭でトランプ氏の勝利による株価急騰について述べましたが、米株式市場は現在調整局面に入っており、2025年前半は下落傾向が続く可能性がある点を補足しておきます。

地主の参謀ニュースレター「回帰」2025年1月号掲載