vol.10「金融資産と現物資産」

資産は大きく金融資産と現物資産の2つに分類されます。金融資産には、現預金、株式、投資信託、保険、NISAやiDeCoなどが含まれます。一方、現物資産には不動産、貴金属などがあります。どちらが優れているかは一概に言えず、個人の状況や目的に応じて選ぶ必要があります。
ここでは、両者の違いを5つの観点から解説します。
1.価格の透明性
金融資産は、株式市場などを通じて売買されるため、価格の透明性が高い傾向にあります。市場参加者が多く情報も公開されているため、良い株は買われ悪い株は売られることにより価格は比較的適正に保たれます。一方、現物資産は、売り手と買い手が直接取引するケースが多く、価格の透明性は低くなります。不動産などでは、急いで現金化したい売り手の事情により、実勢価格より安く売買されることもあり、価格の歪みが生じやすい傾向があります。
2.流動性
金融資産は比較的短期間で現金化が可能です。それに対して、不動産は、買い手が見つかるまでに数か月を要することもあり、場合によっては売却自体が困難なこともあります。ただし、現物資産でも貴金属のように比較的容資易に現金化できるものもあります。
3.価格変動
金融資産の方が価格の変動幅が大きい傾向にあります。例えば2020年のコロナ禍では、リート(不動産投資信託)は約20%の下落が見られましたが、不動産そのものの価格に大きな変動はありませんでした。
4.ローンによる購入
金融資産は、基本的にローンを利用して購入することはできません。一方で、不動産や太陽光発電設備などは、ローンを活用して購入することが可能です。信頼できる参謀がいれば、自身の資金を多く使わずに資産を築いていくことも可能です。
5.相続対策
金融資産は原則としてそのままの評価額で相続されるため、相続税の対策にはなりません。例えば、1億円の金融資産は、相続時にも1億円として評価されます。一方、不動産は、相続時の評価額が実勢価格よりも低く算出されるため、相続税を抑える手段として有効に活用できます。

このように、両者にはそれぞれに特徴があり、自分にとってどちらがより適しているかを見極めるためにも、専門家に相談しながら最適な資産形成を目指すことをお勧めします。
地主の参謀ニュースレター「回帰」2025年7月号掲載

