vol.3「投資と登山」

投資は、たまに登山に例えられます。頂上(目標金額)までにはいくつかの登山道(投資手法)があり、どのルートで頂上を目指すかは、登山者(投資家)の経験や性格によって様々です。険しく危険(ハイリスク)だと解っていても、最短ルート(ハイリターン)を選択する人もいますし、緩やかな坂道で時間はかかりますが(ローリスク)安全なルート(ローリターン)を選択する人もいます。経験の少ない登山者は後者を選択すべきでしょう。しかし、いくら安全と言ってもほとんど平坦な道(ノーリスク)では、頂上に到達する前に人生の終焉を迎えるという悲しい結末になる可能性もあります。
安全な登山ルートにも天候の急変や動物との遭遇など予期せぬことがあるように、投資においてもある程度のリスクは許容しなければ目標を達成することはできません。
例えば、30歳の人が60歳までに5千万円の資産を作りたいと思った場合、銀行預金であれば毎月約13万8千円が必要です。しかし年率5%の運用利益が見込める積立投資だと、毎月約6万円で目標に達成することができます。その間にリーマンショックやコロナショックなどの株価の大暴落(予期せぬ事)があったとしても、途中で積立(登山)をやめず、目標(頂上)に向けて継続していれば、暴落時に買い貯めた株が成果となって目標に近づけてくれます。
では、無事に目標に到達した後はどうでしょう?
投資の目的は「お金を増やす」ことですが、「お金を増やす」そもそもの目的があるはずです。その最終目的を実現するには、増やしたお金を守らなければなりません。目標金額に到達して満期を迎えた途端〇〇ショックで大暴落などすれば、頂上に到達して喜んだ束の間、雷に打たれたようなものです。
登山では登りよりも下山の際に怪我が多いと言います。投資においても目標達成後の下山準備こそが最重要だと言えます。目標到達予定の約5年前を目処にリスク資産と安全資産に配分していくことをお勧めします。的確なアドバイスをしてくれるプロの意見を聞きながら大切な資産を守る準備を心がけましょう。