vol.9「終身年金」

2019年に金融庁の報告書で話題になった『老後2,000万円問題』から5年が経ちました。私がコンサルティングをしていると、多くの人が老後に不安を抱えている一方で、実際にどのくらいの収入(年金)があるのかを把握していない人が多いことに気づかされます。
公的年金だけで生活できるのか、公的年金以外にどれくらいのお金が必要なのか、それが分からず不安を感じる人は少なくありません。「分からない」ことが不安の大きな要因の一つになっているのです。
老後の不安を少しでも減らすために年金の仕組みを理解しておきましょう。

公的年金制度は、国民年金と厚生年金の2階建て構造になっています。国民年金は、保険料免除期間を含めて通算10年以上の加入期間があれば受給資格を得られます。さらに、会社員や公務員として1ヶ月以上厚生年金に加入していれば、厚生年金も併せて受け取れます。国民年金は満額で816,000円(68,000円/月)、厚生年金は平均年収÷12×0.005481×加入月数で計算ができます。
例えば平均年収500万円、加入月数480ヶ月の場合、500万円÷12×0.005481×480=109万6,200円(91,350円/月)です。厚生年金受給者の現在の平均受給金額は単身者で約14万/月です。なお、介護保険料や税金等が差し引かれますので実際に受け取れる金額は額面の約90%程度になることが一般的です。
厚生労働省の調査によると、受給者の約60%が生活が苦しいと感じています。
老後の生活を苦しいと感じていない40%側を目指すには、十分な貯蓄や追加の収入源が必要ですが、国民年金や厚生年金のような生涯もらえる終身年金をもう一つ用意しておくことで資産の取り崩しリスクがなく安心して老後を過ごせます。日本は世界でもトップクラスの長寿大国であり、平均寿命は女性で87歳、男性は81歳。60歳まで生きた女性のうち二人に1人が90歳まで、男性ならば3人に1人が90歳まで生きると言われています。
老後の資金計画を立てる際には、有期年金を活用することも選択肢の一つですが、一生受け取れる終身年金になるような投資商品に加入しておくことが重要です。
地主の参謀ニュースレター「回帰」2025年4月号掲載

