Vol1.「現代における金融リテラシーについて考える」

さて、この原稿を書いている2023年3月11日現在、日本はWBCで盛り上がっている。日本国民の多くが一丸となりオールジャパンを応援している。
1945年に戦争に負けて、焼け野原になった日本人は貧乏から脱却したくて、豊かになりたくて、一丸となって世界に挑戦した。
その結果、1990年の日本の最高到達時点では世界の時価総額ランキングトップ50社の企業の中に日本企業が32社も名を連ねる快挙を成し遂げた。
あれから30年が過ぎた今、長く続いた平和により国民の危機意識が欠如しているのを感じるのは私だけではないはずだ。
幸せ度ランキングでは先進国で断トツの最下位、最低賃金はメキシコと同等、平均賃金は2015年に韓国にも抜かれる始末。失われた30年で泥沼のデフレスパイラルに陥り、物価が上がらなかった為に賃金が増えなくても不自由なく生きてこられた日本人が、昨年起こった急激な円安による物価高騰で初めて焦りだした次第である。
昨年10月151円まで円安になり、日銀が2回に渡り実弾(為替介入)を放って必死に円安を食い止めようとした。その結果一時的には円高になったが、長期でみれば円安のトレンドを変えられる要因は見当たらない。
今後は1ドル200円の時代を迎える可能性も視野にいれておいた方が良いと私は思っている。輸入に頼っている日本は物価高騰により国民の生活は増々苦しくなるだろう。
私は、このコラムを通して、今後私たちが生活防衛していくための必要な情報を発信していきたいと考えています。
2023年3月 株式会社focus 渡部 浩