vol.13『バフェット指数』

投資で活用される指標にはさまざまなものがありますが、そのひとつに米国の著名投資家であるウォーレン・バフェット氏が用いているとされる「バフェット指数」があります。

これは、同氏が「ある時点における市場の評価を測る、おそらく最高かつ唯一の尺度」と評したことから名付けられたもので、株価が経済規模に対して割高か割安かを判断する指標です。計算方法は「上場株式時価総額÷名目G D P × 100」と非常にシンプルで、その国の株式市場全体が実体経済と比較したときに株価が割高なのか、割安なのかを表す指数です。一般的に100%を超えると割高、下回ると割安とされ、割高な局面では過熱感や割高感を解消するための調整が起こりやすくなります。

現在、米国株式市場(S & P 500)のバフェット指数は230%前後とされ、過去と比較しても高い水準にあります。アメリカ経済は底堅さを維持している一方で、市場の期待が先行している側面も否定できません。

2000年のI Tバブル崩壊前にも200%を超えていたということを踏まえると、現投状は「過熱感が意識されやすい局面」と捉えるのが現実的でしょう。ただし、指数が高いからといって直ちに暴落が起こるわけではなく、高水準が一定期間続くこともあります。

一方で、中東情勢、とりわけホルムズ海峡を巡る緊張などの地政学的リスクは、原油価格を通じて世界経済に影響を与える可能性があります。こうした外部要因が重なった場合、市場が一時的に調整するシナリオも想定されます。バークシャー・ハサウェイが60兆円もの現金を保有しているのも、不確実な環境に備える柔軟な姿勢の表れといえるでしょう。

このような局面では、将来を予測すること以上に備えが重要です。投資資金を分散して投入する、地域や資産を分けるといった工夫が求められます。また、短期の値動きに一喜一憂せず、長期目線を維持することも大切です。相場は上昇と調整を繰り返しながら成長します。下落局面も将来の機会と捉え、冷静に向き合う姿勢が長期的な成果につながります。